コラム 第4回 現在のブルー系ディスカスについて



当店はなんだかんだ20年近くも、流行り廃り全く関係なくブルー系中心でやって来てますので、以前からブルー系
ディスカスに関しては色々な質問を受けました。
特に最近ブルー系が見直されているのか、「セルーリアは、いませんか?どう思いますか?」 「ハイフィンモルフ
ォは、どう思いますか?」 「ブルーダイヤは?」 「最近のブルー系に関して?」 「これからの進化具合?」などの
質問を色々な方から何度も訊ねられてきました。

このような質問に対しては、それぞれの私なりの答えは有りますし、強い思いも有ります。しかし残念ながら、この
思いについてはHPのコラムでは、書けません。なぜかと言えば、この事を書くことが現在のディスカス界に影響を
与えてしまうかも知れませんし、私は波風など立てたく有りません。ただ店に来てくれたお客様には私の思いは話
させて頂いてるのですが・・・。

という事で本当はいろいろ書きたくてもこのような状況ですので、結局HPのネタが無く更新が出来ないのかもしれ
ません。

でも、最近は当店に直接来れない距離のお客様も非常に多くなりましたので以下に少しだけ私の気持ちを書かせ
てもらいます。


昔からブルー系の品種に関して、私の基準は品種同士を比較して 「単純にどちらのが色彩的に美しいかどう
か?」 と 「品種として差別化できるか?」 だと思っておりまして、その価値があるかどうかでブリードしてまで残
すかどうかを決めて来ました。

たとえば 「コラム第3回ソリッドブルー」の時にも書きましたが、現在市場に出回っている純血種と言われる品種に
よっては、その魚を見てもらえば分かりますが、体色の劣化が酷すぎ美しい色彩を維持していません。ではなぜ私
が青みの濃い体色に拘るのかと言えば、ブルー系ディスカスを普通に繁殖させると劣化の方向性というものは決
まっており、濃い体色は維持しようと意識しないと維持できませんが、薄くていいなら品種関係なく頬って置けばい
いわけですし、そのような魚は何よりも私には、美しいと思えないのです。
私は以前から、「劣化してしまっているままの品種の純血の価値」などはゼロ以下だと考えています。それに早期
に体色を立て直すだけなら、劣化が確認できた度に、やる事は一つですから可能です。その一つとは「優良血統
のコバルト系を持っていれば、ワイルドなど使わずにそれが可能」だという事です。
 
また最近よく見かけますし、皆様もご存知な事だとは思いますが、例えば分かり易い例で、薄くなったベタ青に濃
い体色を持ったコバルト系をクロスさせますと次の世代の体色は、少なくとも体色的には濃く成る個体がいますよ
ね。
ただ、別種をクロスさせて、一時的に、体色は戻せても体型だけを少し変えて別品種として維持する意味が(コバ
ルトの存在が有るのに・・・)あるのでしょうか?少なくとも私には有るとは考えられませんし、混乱のもとだと考えて
います。そのように作られた魚が子供でも分かる位の全く別の色彩でしたら別ですが・・・(その時も固定率の問題
は残りますが。) 

ただ結局青系ディスカスの品種に関しては車種選びと同様、個人々の「センス」の違いが有りますし、それぞれ美
しいと思われる基準も違いますでしょうから、様々な品種が飼育されるのだと考えていますし、これから先もそれで
良いのだと思っています。



2009年4月7日 アクアプロショップ オリジナル代表 久島一男
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