コラム 第5回 ブルー系ディスカスはこの先、何が起こる? 今回はちょっとだけ辛口に書かせてもらいます。 最近はお客様にも指摘される事が多いのですが、ここ20年ほどのブルー系ディスカスの進化について考えて見ま すと残念ながら90年頃の専門誌(Discusイヤーブック等)に掲載されている個体達をピークに、劣化こそすれ全く 良い方向に進化していないと思いませんか?まるで時が止まったままの様に・・・ 以前はうんざりするほど有ったいい加減な品種も当然の結果として、殆どが過去の物と成りました。そして超有名 ブリーダーも含めて、いい加減な物を売り過ぎた結果も手伝って、ディスカス界も低迷していったのです。 その後、今日まで市場は7対3位で赤系のディスカスが占めて来た様に思います(あくまでも私の私見です、その 間も当店は、8対2位 でブルー系で来ましたが) 赤系は、その間もブルー系と違いまともな新種も出たりしましたし、スポット系の固定が、さらに密度の細かいスネ ークスポット系の固定に繋がり、現在のアルビノへと。ただ赤系の改良もここまで来てしまいましたので次が無い 状態が「今」ですよね。(私も赤系の中でもワイルド表現のイエローベースのレッドスポットとベタ赤は、今でも大好 きです) そもそも「突然変異」にでも期待しない限り、そう簡単に新種なんて作れるはずもなく、ホルモン剤などの薬品等で 色揚げしたナンチャッテ品種とか一部のマニアにしか支持されないような品種以外、万人受けする様な品種は、こ の先難しいかも知れないと思います。 しかし新品種を出さないと市場が盛り上がらないと思ってなのか分りませんが、最近市場に出ている改良種って 酷過ぎる品種が多くないですか??最近、とある所から入手した美しいチェッカーボードピジョンでブリードしました ところ、半分は「インチキな色揚でもしない限り普通のピジョン」とあと半分は、「なんだか分からない種類」でした。 逆に面白いじゃんと言われれば確かに面白すぎますが・・・。 このような魚は成魚も短期間で美しさが半減しますし、ベテランの方に成るとワイルド飼育に走る理由もこんなとこ ろにも有りますよね。ここまで酷くワイルドなら期待を裏切りませんし。 ただ、これも他の業界で流行の エコ の 観点から考えますと・・・。う〜ん、まだ私自身も答えが出ていません。 そしてもう既にとっくの昔にお気付きの方も多いと思いますが、ワイルドクロスもやり尽くした感が有ります・・・。 さて本題です、ブルー系ディスカスはこの先、何が起こると思います? その何かとは??・・・ 残念ながらたぶん 更なる劣化 と 良くて維持 しか起こらないんじゃないかと。 過去の歴史が答えかと。ナンチャッテ ブルー系とかは、この先も時々出て来ると思いますが、絶対騙されない方 がいいと思います。あえて書かせてもらえばこのような品種はせめてF2位の固定率で判断するまでは。 あとよくワイルドグリーンの少しでもブルーの面積の多いのを選ぶ時、この時も手のひらの上の写真ではなく、飼 い込んだ個体でその特徴のを選ばないと。そして、過去にも沢山居られましたが、その個体をブルー系とクロスさ せる方、あと極上のワイルドグリーン同士からのブルー系作出を試みられる方達、結果は、まず中途半端な個体 作出で終わりますよね。 しかも仮に最高の出来だとして、どんな個体が出来ると思います? 残念無念〜 20年前の個体達 ですよ。 何 が言いたいか分かりましたか?「そんな事している位ならワイルドグリーン買うお金で当店の魚を買って下さいと 言う事です。もちろんそんな事は当人のご自由ですけどね。」 でも、まだブルー系にも万人受けしそうな個体の改良余地は有りますので、違った形の未来も描けますよ。 その改良余地は・・・個人店秘密ですので。同じ事を想像している方の中から、誰かがいずれ仕上げて来る事と思 います。 私では有りません。 私は 維持屋 ですから。(劣化屋 に成らない様に精進します。) 今回のコラムは辛口の文章になってしまい本当に申し訳ありませんが、ディスカス愛好家人口が少なくなっている 今本当に頑張っている方々に本質に気がついて欲しいという意味を含めあえて書かせてもらいました。 PS お叱り・クレーム は、ご勘弁を。